2023年4月19日水曜日

リエラ監督、リーグ制覇!



スロベニア1部プルヴァリーガのNKオリンピア・リュブリャナが第31節の2位マリボル戦を制して15ポイント差とし、残り5試合で勝ち点が並ぶ可能性はあるものの、直接対決の成績で上回ることから優勝が確定。

同クラブを率いるアルベルト・リエラ監督は、第2節に得失点差で2位となった以外は首位を譲らずに見事就任1年目でリーグ制覇に導いた。

前任者ロベルト・プロシネツキは2022年3月に就任し、オーナーとの不和により同年7月1日に退任。

リエラはその3日後の7月4日に就任するも、就任会見中にプロシネツキ解任に不満を持つウルトラスに乱入され、同席したムラデン・ルドニャSDとともに途中退席を強いられた。



就任後すぐに行われたECL予選1回戦ではルクセンブルクのディフェルダンジュ03を延長戦で撃破し、2回戦ではルーマニアのシェプシOSKに敗れたものの 1st leg で背負った2点のビハインドを跳ね返してPK戦に持ち込むなど粘り強さを見せた。

10クラブが所属しており、各チームがホーム&アウェーで4回ずつ対戦する全36試合が行われるリーグ戦。

こちらではリエラ自身もプレーしたいコペル戦を含めて第8節終了時点で8勝0分0敗、クリーンシート6回というECL予選よりも遥かに素晴らしいスタートを切る。

2005年創設のオリンピア・リュブリャナにとっては当然クラブ史上最高のスタートであり、2005年に財政難により解散した前身クラブのオリンピア・リュブリャナ(同名)の成績を含めても94/95シーズン以来の快挙となった。

そして、第13節終了時点で、優勝争いの最大のライバルにしてスロベニア国内最多となるリーグ優勝16回を誇るマリボルとの対戦を第4節2-0、第13節1-0とどちらもクリーンシートで勝利。

こちらもクラブ史上初、前身クラブを含めても2004年に達成したミリヴォイ・ブラチュン以来。

もちろん元々ウルトラスはリエラに対してではなく上層部に対する不満から会見に乱入したが、いつの間にかそんな不満も消え去り、スタンドからは『アルベルト・ リエラ!』の大合唱のみが聴こえ、ピッチにはそれに応えるリエラの姿。



この動画の後、メガホンを持って自身の言葉でファンに応えたリエラ(サムネ画像)に対し、ウルトラスは会見に乱入したことを謝罪。

それに対しリエラは

ファンは謝る必要がないと前に言った。何故か?
最初から、私が問題ではないことは分かっていたからだ。

うまくいかなければ、ファンはリアクションを示す必要がある。

成功を収められないなら去らなければならないが、今はチームを良くできているし、それを続けたい。

とコメント。

そしてコメントの通りチームは右肩上がりに調子を上げ、4月16日の第31節終了時点で6敗しているものの、連敗は1度もなく、2試合続けて勝ち点を落としたのは第18節NKツェリエ戦と第19節NSムラ戦を0-0の引き分けで終えた時のみ。

3位だった昨季くから、リエラの監督就任以降は1試合あたりのボールポゼッションが53%から61%、パス成功率は490本(82%)から565本(86%)と伸び、シュート数やゴール数、チャンスメイクなども改善。

第7節終了後に戦術について聞かれたリエラは最も重要なことは柔軟で予測不可能であることと答え、7試合で同じシステムを用いたのは1度だけと明かしている。

また、現役としてもコーチとしてもラファ・ベニテス、ルイス・アラゴネス、エルネスト・バルベルデ、マンチーニ、ファティ・テリムらから多様なスタイルを吸収した結果、自身についてカメレオンのような監督だと評価。

リバプール所属時に当時チームを率いていたラファ・ベニテスを批判するようなコメントを残し、ガラタサライではフェリペ・メロとの争いにより負傷するなど荒い性格も度々話題になったものの、父親を亡くした直後に行われたタボール・セジャーナ戦ではVARでゴールが認められた末に選手たちがリエラの元に駆け寄るなど、サポーターだけでなく選手たちからも慕われている。



正式な契約期間は明かされていないものの既に契約延長を望む声まで挙がっているが、リエラ自身は

お金のためにここに来たわけではないし、契約について話したくはない。

1年、2年、5年…と、自分が幸せで満足できる限りここにいると自分に言い聞かせたし、仮に満足感やモチベーションを失ったとしても、この機会を与えてくれたクラブに感謝する。

何故ならヘッドコーチという役割を最初に与えてくれたのはこのクラブだったからで、それは決定的なものだった。

ガラタサライで2年間アシスタントコーチを務めた後、私は新しい役割を担う準備ができたと感じた。

失敗することもあるだろうが、それが一番勉強になる。


と明かした。

リーグ戦は5試合残っており、ポカル・スロヴェニイェも準決勝まで勝ち残り、更にはリーグ優勝を果たしたことで来季は予選1回戦ながらCLへの参戦も決定。

今季の残り試合はもちろん、来季以降もリエラとオリンピア・リュブリャナの躍進を伝えられることを願って。



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