ルイス・ディアスの移籍金を巡り、古巣ジュニオール・バランキージャがポルトを提訴したとの報道。
要約すると、リバプールから支払われた移籍金の一部を受け取る権利があるが未だに支払われていないというもの。
いくつかの記事を引用してまとめているため、元記事の紹介は最下部にて。
【報道内容】
ポルトガルメディア A Bola と Record の報道。
両紙ともに1月にポルトがリバプールに売却した際の移籍金の一部が支払われていないとの報道では一致しているが、Record の方がより詳しく書かれている。
(2022年5月6日付の A Bola より)
ジュニオール・バランキージャは、1月にルイス・ディアスがリバプールへ移籍した際の移籍金の支払い期日を守らなかったとしてポルトを FIFA に提訴。
ウィンガーの古巣であるジュニオール・バランキージャはルイス・ディアスの移籍金の権利を20%保有しており、既にリバプールから支払われている€1500万からの分け前をもらえると期待していた。
取引全体では€4500万+アドオン€1500万である。
(2022年5月6日付の Record より)
ジュニオール・バランキージャは、ポルトが1月にルイス・ディアスを売却した際に自らが受け取るべき金額が支払われていないとして FIFA へポルトに対する苦情を申し立てた。
この情報はコロンビア人ジャーナリストがSNSで公開し、現地の報道各社の反響を呼んだ。
我々の調べによれば苦情の申し立ては確かに行われた。
これはジュニオール・バランキージャがルイス・ディアスの移籍金の権利を20%保有しているためで、ポルトがリバプールに€4500万で売却したうちの€900万を受け取る権利がある。
【支払いを巡る裁判】
A Bola の報道を引用した Sport Witness の記事によれば、ジュニオール・バランキージャは裁判に向けてスイスの法律事務所 MS International Law を雇った模様。
MS International Law はかつて FIFA で働いていたメラニー・シェーラー氏が設立した法律事務所であり、公式ホームページによると57ヶ国以上の選手・連盟・クラブなどの代表として11年以上に亘って600件以上の裁判を担当。
移籍関連など今回と同様の案件も多数担当しており、非常に高い成功率を誇るとされる。
(2022年5月6日付の Sport Witness より抜粋)
ジュニオール・バランキージャは既に同様の案件を担当したことがあるスイスの MS International Law を雇った。
【裁判の結果】
Record が言及しているコロンビア人ジャーナリストとはコロンビアメディア Blog Deportivo のファビオ・ポベダ氏のことで、同氏によると既に裁判が行われており、FIFA は既にポルトへ支払いを命じた。
Junior demandó al @FCPorto de Portugal ante la FIFA porque no ha pagado el porcentaje (20%) del primer desembolso que hizo el Liverpool por el pase de Luis Díaz. La FIFA falló a favor de Junior en primera y segunda instancia y dio 45 días a Porto para que pague.
— Fabio Poveda (@FabioPovedaRuiz) May 5, 2022
(2022年5月6日付のツイートより)
ジュニオール・バランキージャがポルトをFIFAに提訴したのは、リバプールがルイス・ディアスの移籍金として最初に支払った金額の20%を支払っていないため。
FIFAは一審・二審ともジュニオールに有利な判決を下し、ポルトに45日間の支払い期限を与えた。
【ポルトはジュニオール・バランキージャの権利を買い取ろうとしていた】
コロンビアメディア AS Colombia によれば、ポルトは20%のセルオン条項を買い取ろうとしていた。
にも関わらず、今になってこの問題が報じられるということは交渉は失敗に終わったと思われる。
(2021年11月9日の AS Colombia より抜粋)
ポルトはルイス・ディアスの権利を80%保有しているが、まだジュニオール・バランキージャが保有する残り20%の買い取りを検討。
ポルトは主力を冬の移籍市場で売却する気はないようだが、100%の権利を得るからには2022年6月のオファーには否定的ではない。
彼の契約解除条項は€8000万である。
【FIFA の規則・罰則】
コロンビアメディア MARCA Colombia が FIFA の規則・罰則について紹介。
(2022年5月5日の MARCA Colombia より抜粋)
FIFA の判決は知られていないが、地元メディア El Heraldo はジュニオール・バランキージャが勝訴したことを確認。
もう控訴の余地はないため、あとは判決が正式に下されるだけである。
このようなクラブ間の不和について、FIFA は選手の地位と移籍に関する規則にて述べている。
[選手の地位と移籍に関する規則 第12条2項]
1-クラブは、選手と交わした契約や移籍契約に定められた条件に従い、選手や他のクラブに対する金銭的な義務を果たすよう要請される
2-クラブは、契約上の根拠なく30日を超える滞納をした場合は制裁を受ける可能性がある
3-この条の意味において滞納していると見なされるには、債権者(選手若しくはクラブ)が債務者であるクラブに書面で滞納を通告し、義務を果たすために少なくとも10日間の猶予を与えなければならない
4-FIFA の DRC(紛争解決室)はその権限において、a) 警告、b) 注意、c) 罰金、d) 国内及び国外の新規選手登録禁止:1期若しくは2期の完全かつ連続した登録期間
5-上記4項にて定める罰則は、累積して課される場合がある
6-違反が繰り返された場合は状況が悪化したとみなされ、より厳しい刑罰が科されるものとする
7-契約関係が一方的に終了した場合、本条の条件は第17条に定める他の措置の適用を妨げるものではない
【両クラブの反応・現状】
現時点までにジュニオール・バランキージャとポルトともに声明の発表や会見などは行われておらず、情報はあくまでもメディアの報道のみ。
双方ともに認めもしなければ否定もせずといった状況。
支払いを命じる判決が下されたことで決着となり今後は報道されないのか、判決を下されたポルトが不服として CAS に申し立てを行うのか、何かしらの情報があればまたお伝えしたい。
なお、ポルトガルメディア Maisfutebol などがポルトへの接触を試みているが現在までに応答はない。
(2022年5月6日の Maisfutebol より抜粋)
Maisfutebol は状況を明らかにするためにポルトに連絡したが、今のところ接触できていない。
【資料・引用記事】
メディア名の後、⇒の後ろのタイトルをクリックすると該当記事に移ります。
A Bola ⇒ EX-CLUBE DE LUIS DÍAZ RECLAMA FALTA DE PAGAMENTO
Record ⇒ Junior Barranquilla faz queixa na FIFA por Luis Díaz
Sport Witness ⇒ Club file complaint to FIFA over Liverpool move – Transfer percentage not being paid
Fabio Poveda氏 twitter ⇒ 該当のツイートへのリンク
AS Colombia ⇒ Porto comprará a Junior el 20% restante de Luis Díaz
MARCA Colombia ⇒ Junior de Barranquilla gana la demanda al Porto por el fichaje de Luis Díaz al Liverpool
Maisfutebol ⇒ FC Porto: colombianos denunciam dívida relativa a Luis Díaz
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