いよいよ12月26日、ボクシング・デイにリーグ戦が再開。
以前からプレミアリーグを観戦している方は既に聞いたことがあるだろうし、恐らくは試合中に1度は実況の方が発するであろう言葉『ボクシング・デイ』。
何故に12月26日をボクシング・デイと呼ぶのかなどなど、簡単に調べてまとめてみました。
ボクシング・デイとは
スポーツのボクシング/Boxingとスペルは同じながら全くの別物で、イギリスを起源とし、コモンウェルスとして知られる多くの国でもみられるキリスト教関連の祝日のこと。
ボクシングと呼ばれるようになった由来として大きくは唱えられているのは2つの説。
使用人や郵便配達人といったクリスマスの日も働かなければいけなかった方を家族とともに過ごさせるために翌26日を休みにし、彼らを労うために箱に贈り物を入れて配ったという説。
教会にて貧しい方のための寄付金を募って箱に入れ、12月25日に開封し翌26日に配ったという説。
どちらにも共通しているのは箱に贈り物やお金を入れるという点であり、箱詰めすることや箱に包むことをボクシング・アップ/Boxing upと表現することから由来したともされる。
そして、オックスフォード大学出版局によるオックスフォード英語辞典によれば最古の記録は1830年代のイギリスであり、『クリスマスの後の最初の平日で、郵便配達人、使い走り、様々な使用人がクリスマスボックスを受け取ることを見込む 休日として制定された。』と記載。
更に、イギリスにはクリスマスの後の最初の平日に商人たちが1年間の奉仕に対する感謝としてお金やプレゼントを入れたクリスマスボックスを集める習慣があったようで、これはイギリスの政治家サミュエル・ピープスの日記の1663年12月19日付のページにて
(中略) その後、馬車で靴屋に行って代金を支払い、クリスマス用に少年たちの箱にも入れた。
と言及されている。
ボクシング・デイとフットボール
ボクシング・デイでは、イギリスはもちろんコモンウェルスの国々で様々なスポーツが盛んに行われる中、やはりメインとして注目されるのはフットボール。
日程の都合などにより27日や28日開催となることもあれど、1958年以降、ボクシング・デイはイギリスの各リーグで試合が開催される主要な祝日となっており、フットボールファンの中では家族で集まって応援し、祝祭をもう1日楽しむための日と捉えられている。
中にはボクシング・デイはフットボールと同義であると主張する人もいる。(知らんけど)
また、ドイツやイタリアなどでは聖ステファノの日と呼ばれ、こちらもキリスト教関連の祝日。
興行収入や観客動員などの面でイギリスを倣ってか、イタリアも2018/19シーズンのセリエAで初めてこのボクシング・デイ/聖ステファノの日に試合を開催。
この試みは成功し、イタリアのスタジアムでの観客動員数は平均69%となり、2018年12月の他のどの試合日よりも多い結果に。
ボクシング・デイとリバプール
クラブ創設から130年が経ち、リバプール公式によるとボクシング・デイに試合を行った90回の通算成績は43勝24分23敗。
筆者が調べた限りでは、最古の記録はクラブ創設年である1892年のボクシング・デイに行われたシェフィールド・ユナイテッドとのフレンドリーマッチ。
さすがに映像やら画像やらは見当たらなかったものの、アンフィールドにて14時15分にキックオフされたこの試合は、ジョン・ミラーのアシストからトーマス・ワイリーが後半に決めたゴールが決勝点となってリバプールの勝利。
1892年12月27日付のLiverpool Mercury紙は
昨日、観客6000人の前でアンフィールドで行われた試合。
天気は快晴だったもののピッチが非常に滑りやすく、選手たちはとても注意深くプレーしていた。
ミラーは巧みなドリブルと効果的なパス回しで存在感を示し、ミラーが出したパスからワイリーが難しいシュートを決めて、ホームチームが得点を挙げた。
最後までリバプールが攻め続け、大熱戦の末に1点差でホームチームの勝利となった。
と報じていた。
最新の記録は19/20シーズン、2019年12月26日のレスター・シティ戦。
2019年12月21日にクラブワールドカップを制して世界チャンピオンとなって迎えた初のリーグ戦。
31分にフィルミーノのヘディングで先制して前半を終えると、71分にミルナー がPKを決めて2-0、74分にフィルミーノが冷静にシュマイケルの逆を突いて3-0。
そして78分、自陣左サイドで始まったカウンターに駆け上がったアレクサンダー=アーノルドはマネからボールを受け、そのまま右足でゴール左隅に叩き込んで4-0。
アウェイゲームながらシュートを3本しか撃たせず、枠内シュートはゼロと完璧に力で押し切り、試合後にブレンダン・ロジャーズが『リバプールを止めるのは困難になった』と語った通り2位マンチェスター・シティに18ポイント差を付けて優勝を果たした。
ボクシング・デイとリバプールとアストンヴィラ
アストンヴィラはあと2年でクラブ創設150年、リバプールは今年が130年と、共に長い歴史を誇りつつもボクシング・デイ当日に対戦したのは2001年の1度だけ。
ヴィラ・パークで行われ、短期ローンで加入したアネルカのデビュー戦でもあった試合は、9分にリトマネンのゴールで先制するも12分に追いつかれる。
その後、リトマネンのPK失敗もありながら、73分にベルガーのアシストからスミチェルが決めて2-1で勝利。
なお、この過去の1度だけの対戦で、先制点を決めたリトマネンはレフェリーを務めたアンディ・ドゥルソからアシストされるという珍しい経験をした。
いよいよリーグ戦の再開が近づいてきました。
何だかんだW杯を楽しんだとはいえ、待ち望んだリバプールの試合。
頑張って応援しましょう!
なお、この記事をまとめるにあたり、参考・引用した記事を下記に残します。
Wikipedia → Boxing Day
サミュエル・ピープスの日記 → The Diary of Samuel Pepys
NBC Sports → Boxing Day in the Premier League explained: What is the history? What is it all about?
リバプール公式 → Pre-match stats: Liverpool's Boxing Day record, Salah v Villa and more
PlayUp!Liverpool → LIVERPOOL V SHEFFIELD UNITED 1-0 (FRIENDLY, DECEMBER 26, 1892)
The BNA → Liverpool Mercury
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